HMIサウンドデザイン手法を公開します!「キャラクターVUI選択チャート Vol.2」
最後の分岐の判断基準が曖昧なため、使いにくいことが判明しました。
また、キャラクターカテゴリももう一段階分類を増やした方がいいのでは?となりました。
修正版
それぞれのキャラクター分岐の後、もう一段階詳しい分岐を加えました。こうすることで、キャラクターの個性にも対応できるようになりました。
そして、最後の音声分岐の数を増やすとともに、複数の音を使用する可能性にも対応できるようにしました。最後の分岐の際には、これで誰でもより簡単に迷いなく音声選択ができるようになりました。
「最適なVoice/Sound」も1つでは無く、いくつかの組合せが必要なことも分かりました。
例えばロボットやAI agentの場合、常に【声】だけで話しかけるより、ワーニングや画面に目線を誘導したいときなどは、【報知音】を使った方が素早い認知反応を引き出すことができます。ただしロボットのタイプによっては、従来の【ビープ音】より【和音】の方がキャラクターイメージを壊さないと思います。例えば未来的なイメージを持つロボットから「ピーーー」というビープ音がしたら古くさいイメージになってしまいますよね。
実際に使ってみた
この分岐チャートを社内プロジェクト「デザインスタディNo.5」で実際に使用してみました。
今回は運転に不安のある女性をターゲットにしたHMIです。親しみやすさと安心感を出すために、車をモチーフにし【非 人間型のロボット】を制作しました。
この場合、最適なのは「合成音声(子供的)+報知音(和音)」だとわかります。
実際に声をつけてみた動画がこちらになります。
(VOICEVOX:ずんだもんを使用)
他の音声だとどのような印象になるのか? 本当に子供で正しいのかを確認する意味でも他の音声を複数制作してみました。
まずはAI agent やナビ音声にありがちな大人の女性です。
●合成音声(知性的女性)
(VOICEVOX:九州そらを使用)
キャラクターの子供っぽいイメージとあわず、違和感があります。
次はロボットの知性と何かをサポートしてくれる安心感という視点から、知的なイメージの男性です。
●合成音声(知性的男性)
(VOICEVOX:青山龍星を使用)
キャラクターのイメージ(ビジュアル)が子供っぽいため、違和感があります。
最後に声ではなく合成音声(和音)のみで返事をしたらどんなイメージなるかを見てください。
●合成音声(和音)
喋らないため、キャラクターの親しみやすさが半減してしまいました。
合成音声の報知音は画面に意識を向けさせたり、操作フィードバックには有効ですが、キャラクターと触れあう親しみをおぼえるのには不向きなことが分かります。
ツール開発を終えて
これで「キャラクターボイスの選択チャート」は一旦完成しました。
実際に使って見ると、以前は感覚的に選んでいたので、「これで正しいのか?」「他に可能性のあるものは?」など評価基準の曖昧さと網羅性の低さから、修正がダラダラと続くことが多かったのですが、迷い無く短期間で決定することが出来るようになりました。
今後は使っているうちに改善点が見えてくるかも知れません、その時は改訂バージョンを作成し、より精度が高く使いやすいものになっていくと思います。
また使用される会社さんによっては要件が異なると思います。そのような場合はこれをベースにカスタマイズしてください。
PERCHでは制作はもちろん、このような業務改善に繋がるツール開発のご依頼もお待ちしておりますので、お気軽にご相談ください。困りごと、要望などをお聞かせいただければ担当ディレクターが対応致します。
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今回のツール開発記はいかがでしたでしょうか?
今後も私たちの取組をお届けしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。