良いモニター、悪いモニターの見分け方 2021.05.18デザイン モニターの重要性 モニターは、「デザイン」「色」「動き」などを編集する、制作者の目であり最も重要な機材です。そしてカラーマネジメントにおいても最も重要な機材です。 モニターには大きく分けて2つありますが、カラーマネジメントを行うには「ハードウェアキャリブレーションモニター」が必要です。 ハードウェアキャリブレーションモニター モニター内部に色補正機能があり、高い精度でモニターの発色特性を管理するため、データに忠実な色を見ることができます。カラーマネジメントでは業務によって基準カラープロファイルを切り替えますが、色々な基準カラープロファイルを正確に表示することが出来ます。 EIZO ColorEdge製品ページ 映像制作業界で長年利用されているデファクトスタンダード 通常のモニター 通常のモニターは色補正機能を搭載していません。RGB各色の入出力がフラットになっていなかったり、ハイライトとシャドウが潰れていたり、画面の場所によって色むらがある製品が多く、sRGB対応、AdobeRGB対応などを謳っている製品は近づけているだけですので、正確な色を再現することが出来ません。 測色機を利用してキャリブレーションを行うことは可能ですが、明るさとRGB各色の乱れを補正するだけで、基準カラープロファイルに合わせることは出来ません。 『グレースケールを表示して発色バランスを見極める』 【グレー】という色は均等なRGB値でできています。そのためRGBのうち1つでもバランスが崩れれば「色がついたグレー」が表示されます。色に厳しいモニターメーカーでも、白から黒までのグレースケールを使ってモニターの特性を判断しています。 「優れたバランスのモニター」を測定したグラフです。白から黒までのデータを出力して、モニター表面を測色機で測定した結果ですが、きれいなガンマ曲線を描いています。測色はRGBのような相対的な値では行えないので、絶対値のXYZを測った図ですが、XYZがきれいに重なっているので1つの線に見えますね。 このようなモニターにグレースケールチャートを表示すると、きれいな乱れのないグラデーションに見えます。以下のグラデーションが、私が使っているカラーマネジメントモニターです。色浮きしない、きれいなグレーに見えています。 「バランスの崩れたモニター」を測定したグラフです。同じように白から黒までのデータを出力して、モニター表面を測色機で測定した結果ですが、ガンマ曲線が乱れ、XYは重なっていますが、Zが大幅に狂っています。ほとんどのモニターのバランスは狂っています。 このようなモニターにグレースケールチャートを表示すると、RGBの各色が乱れるために、白から黒のグレー階調の所々が、「緑・紫・グレー・緑・紫」と色浮きしたグラデーションに見えます。以下のグラデーションはそれがわかりやすいようにわざと色浮きさせています。 グレーのグラデーションを自分のモニターに表示してみてください。上記のように色浮きが見えたら、発色バランスが崩れたモニターかどうかがわかります。 デザイン カラーマネジメント用語解説 カラマネ事例 組込ディスプレイをマッチングさせて数百万の修正... 関連記事一覧 よくわかるインフォグラフィックスの基礎(基礎編) カラーマネジメント用語解説 インフォグラフィックスがユーザーの行動を変える(実... インフォグラフィックスで変わる自動車のHMI(応用編) BMWの事例から見えるサウンドデザインの価値とは? カラマネ事例 組込ディスプレイをマッチングさせて数百万の... 意匠開発の迅速化:意匠のアジャイル開発に欠かせないDes... これをおさえれば上手く行く! カラマネ成功のポイント